清酒「分福」「男一心」醸造元・分福酒造株式会社

醸造アルコールってなに?

醸造アルコールについて

清酒の副原料として用いる「醸造アルコール」は、含糖物質やデンプン質を原料に醸造し蒸留されたアルコールです。
もろみに適量の醸造アルコールを添加すると、香りが高く、スッキリした味となります。さらにアルコールの添加によって、清酒を腐敗させる火落菌(乳酸菌の一種)の増殖を防止するという効果もあります。吟醸酒や本醸造で使用する醸造アルコールの量は、白米の総重量の10%以下に制限されています。

元禄時代、江戸送りの酒には、「柱焼酎」(はしらしょうちゅう)と呼ばれた焼酎を加え、これによって貯蔵や輪送中の変質を防止するとともに、くどい風味の酒をマイルドにする方法が行われていました。
もろみに醸造アルコールを添加するという技術は長年かけて確立されたもので、重い味を軽くする働きを持ち、喉のすべりを良くし、ドライで辛口になり、現代の嗜好に合った淡麗で軽快な酒を造るのに非常に有効な手段です。
これが「純米酒は味が重い」という世間の声にマッチしたのです。更に吟醸酒などの特有の吟醸香(リンゴのような香り)を鼻に届きやすくする働きもあります。

アルコールの添加は清酒だけでなく、スコッチウイスキーにも行われています。麦芽のみを原料としたモルトウイスキーに、とうもろこしやライ麦を原料としたグレンウイスキーと称する蒸留アルコールを添加することにより、淡麗でマイルドな酒質となり、これが人気を博すようになりました。

また、ビールの原料には、麦芽、水、ホップ、酵母のほかに、副原料として、米、コーンスターチ、コーングリッツが使われています。副原料によって、味にすっきり感やまろやかさを与えたものが多く、米文化の日本人に適した味にしています。

《蔵元コメント》 醸造アルコールは皆さんもよく飲んでいる「甲類焼酎」です。 ですから、醸造アルコールを悪者扱いせずに、 「純米造り」というかたちと、「本醸造」など醸造アルコールを添加したかたちとがあり、それぞれをお好みで楽しんでいただけたらと考えております。
私が好きでよく飲むのは純米吟醸ですね(笑)。