清酒「分福」「男一心」醸造元・分福酒造株式会社

分福のこだわり

とにかく物事の本質を見極めよう〜現場主義に徹する〜

社会人として6年間、大阪の繊維メーカーの営業マンを経て家業の酒蔵に戻り、一年間、ただずっと当社を見続けた結果、思ったことはただ決まったことをこなすだけの現場。 「それ何の作業なの。やる必要あるの?」
「やれと言われたからやっています。」
「その作業の必要性感じる?他のやり方ないか考えたことある?」
「別に」
目的意識のない現場に未来はない。と思い現場に足を踏み入れる。
今から11年前、市場は吟醸ブーム。今の有名地酒が形成され出している。
当社では吟醸と言う言葉を聞かない。

A酒の味の決定要因は酒蔵or杜氏 〜自社内に技術蓄積〜

杜氏制度はとても素晴らしい技術集団だ。日本酒の文化、技術向上は彼らの賜物である。しかし時代とともに働きに出る蔵人の数も落ち高年齢化している。
又あの蔵は最近酒の味が変わったなどと聞き、調べてみると杜氏が変わっていることが多い。これは杜氏にすべてを任せてしまう蔵元に問題があるのでは。
会社ではなく個人に技術蓄積があり、OO酒造会社の一貫した経営姿勢が見えない。
酒蔵なのだから配送専門、営業関係なく酒造りに手伝わせ、少しずつ覚えさせねばと思う。
そんな色々な事を考えているうちに始めてしまった酒造り。
しかしずぶの素人に出来るわけない。
それからの苦労は話すまでもないでしょう。とにかく試行錯誤の連続。
お蔭様で一年を二、三年に思うぐらいの経験をつむことが出来ました。
あっと思ったら早9年。最近は関東信越国税局の品評会において3年連続金賞を得るなどやっと人様並になれたかなと思っています。
そして今でも一つ一つの工程にも本当にこれでよいのか、改善することはないのかを常に考え、酒造りをしています。
最近、酒造りは修行であり、出来上がった酒は作品と思っています。

自社圃場の確保

酒の原料はお米です。当然原料にこだわります。しかしなかなか個別対応が出来ません。縁あって滋賀県の安土に契約圃場を持っています。熱心な所で農協上げて自然栽培に取り組んでいます。
自然栽培米を購入していますが、「自然栽培」の表示するのが目的でなく、自然栽培米を作るための姿勢、しっかりと根の張った茎の太い稲穂の米に「天然の恵み=本物」を感じるからです。

全て手作り

米を手で洗い、手で麹を造り、目と耳と口とカンと全て使い、モロミの状ぼうを絶えずチェック。
そして上槽も袋吊りして雫として搾る。そんな時代遅れの方法が、本物の酒造りと思います。酒は麹と酵母の自然のなせる術であり、我々が酒を造っているなんておこがましい。よって制御するでなく、予測という言葉を使います。

レッテルも手作り

ちっぽけな地酒屋が「熱い思い」を持ち、皆様にその思いを伝えるため、レッテルも1枚1枚墨絵にて私の母が手描きしています。

商品特性

「おたくの酒はどういう酒なの?」とよく聞かれ、言葉に困ってしまいます。 「飲み飽きしない酒。」 「含みはほんのり甘くやわらかく、喉ごしのキレのある辛口の酒。」 と答えてますが、「自分が飲みたい酒。」が本音です。
皆様、いろいろな酒を飲み、自分自身で「この酒合う」かどうかの判断をし、日本酒を楽しんでください。

       

2001年作成